自由が丘 ロール屋

★ぐるめ★
ーーーお店データーーー
住所 東京都目黒区自由ヶ丘1-23-2
電話 03-3725-3055
時間 11:00~19:00
休日 水曜・第3火曜
URL http://www.jiyugaoka-rollya.jp
ーーー食べたものーーー
チョコバナナのロールケーキ 420円
★Met!★
くるくる~と巻かれたロールケーキ。なんとなく地味なイメージだったロールケーキに興味を持ち始めたのは4年くらい前から。知人から「1年前に予約した京都のケーキがようやく手に入ったから食べにこない?」そう言われて、当時まだ工事中の六本木ミッドタウン裏にある彼女のマンションを尋ねた。その立地上、おいしいスイーツの入手には困らないはずだ。にもか関わらず、わざわざ京都から、しかも1年も待って手に入れたケーキとはいったいどのようなものなのか・・・。木の葉型の銀色の茶托の上にはジノリの真っ白な湯飲みが乗せられ、今入れたばかりの鮮やかなグリーンの煎茶を注いでくれた。彼女は冷蔵庫の中から取り出した箱を、まるで私への献上物のように慎重にテーブルに置いた。蓋を開け、取り出したのは・・・な~んともツルンとシンプルなロールケーキがだった。彼女は「これ、京都のロールケーキでね、1年も前に予約したの!!自分でも忘れてたんだけどねー」と改めて説明してくれた。そう聞いても・・・、見た目は何の変哲も無いロールケーキで、とても有り難さを感じることが出来なかった。食べてみると、フレッシュな生クリームがフワフワしっとり卵の風味が活かされた生地に巻かれていた。確かに究極の1品なのかもしれないけれど、私にとってはおいしいロールケーキと言う以外の強烈な印象はなかった。しかし、この世に1年も前に予約しなければ食べられないロールケーキが存在するという衝撃的な事実を知ってからというもの、それまで全く興味のなかったロールケーキがスイーツ選びの選択肢の一つになった。

そんな訳で、あまりにも有名なパティシエである自由が丘モンサンクレールの辻口氏のロールケーキ専門店「ロール屋」のケーキはやはり一度は食べてみたいと思っていた。ある日、私は数年ぶりに風邪をひいた。夜中に39度まで熱が上がり、意識はモウロウとし、息も苦しく眠れなかったが、どうしても仕事を休むわけにいかず、電車を乗り継ぎ、背中を丸めてゆっくりゆっくり歩いて出社した。頭の中はぐるぐると回るが、とにかく、何が何でもこなさなければならない仕事を午前中に終わらせて午後は病院に行くことにした。病院でインフルエンザで無いことが確実となり、それなりの薬を処方された。薬を飲むと治った気になり、食欲もわいてきて、平日の晴天の中、そのまま家に帰るのももったいない気がした。そうは言っても、やはり身体はだるく、遠出などできるはずもなかった。自宅から電車で10分もかからない自由が丘で気軽に和食を食べようと、仁松庵に向かった。魚の定食をいただいて、まっすぐ家に帰ろうと思ったのだが、風邪=おいしいもので治す などという何の根拠も、何のナニもない式が浮かび、スイーツ天国自由が丘で何かおいしいケーキをひとつ買って帰ることにした。となると、対象がひとつポンっと浮かんだ。ロールケーキだ!土日のロール屋の行列は長く、警備員が配置され、誘導している姿を見たことがある。さすがに平日の昼間だけあって、警備員はいなかったが、小さな店の前には5,6人程度の列ができていた。すぐに入店することができたが、私の前の人たちは、私への嫌がらせかと思うほどの量を買い込んでいた。私の3人前の人はショーケースに並べられた「自由が丘ロール」と名付けられたケーキをすべて買って、そこで「自由が丘ロール」は完売となった。2人前の人が「え?自由が丘ロールはもう終わり?今ので?全部?終わりなの?もう追加はないの?売り切れなの?」と怪訝な顔をして3人目の人を何度も見ては、店員に残念さを訴えている。それでも、いろいろな種類のロールケーキをトレー2つにぎっしり並ぶほど購入していた。私の手前のおじさんはハートが飾られたかわいいロールケーキをはじめ、トレー3つに並ぶほどのロールケーキを買っている。そして私の順番がまわってきた。私は「チョコバナナのロールケーキを1個」とオーダーして後ろに並ぶ人達の顔色をうかがってみた。“私1個だけ。皆さんいっぱい買い込んでいらっしゃったから、心配だったでしょ?でも私、1個だけなんですよー。何ら皆さんのお買い物に影響を与えませんでした。ほら皆さん、まだこんなにロールケーキはありますよ!!”という意味で。この小さな小さなロール屋の店内で、ちょっとした英雄気分だ。私の後ろのお客さんが皆私に拍手喝采を送っているような気さえしてきた。そんな妄想を打ち消すようにお店の人が「以上でご注文よろしいですか?」と定型的に声をかけてきた。「あ、はい、それだけで。」‘それだけで’を強調してみた。
大量の仲間と買われていくロールケーキも、1人ぼっちのチョコバナナも皆かわいらしくトレーに乗せられていく。もろそうに見える彼らだが、クリームの詰まったやわらかな部分を手で持たれたってクチャっと凹んでしまうこともなくちゃんとクルクルとしたまま立っている。皆お行儀よくクルクルの絵が書かれた箱につめられていった。ロールケーキってなんだか健気・・・。
念願のロールケーキをすんなり購入することができ、風邪っぴきの私は充実感でいっぱいになってガタゴト電車に揺られて家に帰った。少し昼寝をして、簡単な夕食を済ませ、DVDレコーダーに撮り溜めたお笑い番組を見ながら、クルクルの絵が書かれた箱をテーブルに置いた。

いよいよお楽しみの時間。真っ白なお皿に乗せられたチョコバナナのクルクルは風邪を直すおまじないの様にも見えた。
真ん中にはほんのり酸味のバナナ、やわらなかクリームと、かすかな苦味のチョコレートクリーム・・・。間違いないおいしさだった。

その夜はぐっすりと眠り、翌日、風邪はすっかり良くなっていた。

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さやちゃん
とにかく食べることが大好き。日々健康であること、日々おいしく食事を頂ける事、大地の恵に感謝しながら、食事を楽しむ。小さな事にも感謝、感動する気持ちを持ち続けていれば、ふらりと訪れたレストランで心に残る出会いがあったりするものだ。料理について何の知識も持ち合わせていないただの素人だが、気ままに趣味の食べ歩きを綴る。
とにかく食べることが大好き。日々健康であること、日々おいしく食事を頂ける事、大地の恵に感謝しながら、食事を楽しむ。小さな事にも感謝、感動する気持ちを持ち続けていれば、ふらりと訪れたレストランで心に残る出会いがあったりするものだ。料理について何の知識も持ち合わせていないただの素人だが、気ままに趣味の食べ歩きを綴る。









