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浅草 今半本店


★ぐるめ★
ーーーお店データーーー 
住所 東京都台東区浅草1-19-7
電話 03-3841-1411
時間 11:30~20:30
休日 火曜日 

ーーー食べたものーーー

すき焼きセット 3,150円

★Met!★
会社のカメラ好きで構成された写真部の集合は春の浅草吾妻橋で11時だった。電車の乗り換えをミスしてしまい、少し遅れて吾妻橋まで走っていくと、一眼レフを首から提げた若者達と、小さな男の子が見えた。息を切らして「遅れてごめん!」と謝ると、小さな男の子が大きなマスクに隠れそうな目をまぶしそうにしながら私を見上げた。「はじめまして。○○○○(フルネーム)と申します。今日はどうぞよろしくお願いします。」こんな礼儀正しい子供は初めてだ。彼は今春小学2年生になったばかり。ジーンズを履きこなし、首からパパのお下がりのcanonの一眼レフカメラかけていた。その姿がカッコよくてかわいらしかった。絶好の行楽日和、早速向かったのは「浅草今半本店」だ。私はこの日の昼食をどこにするか選定を任されていた。浅草では洋食の名店が多く、選択には迷ったものの、浅草といえば、老舗といえば、今半といえば、本店といえば、高価といえども、大人の集会!ということで、すき焼き3,150円に決定したのだった。

11:30の開店にまだ10分程度の時間があり、私たちは一番乗りで、12名という団体だったが、安心して一斉に入店できることが確約された。店が開いて入店すると、広い畳の間に小さなテーブルが配された質素ながら昔の情緒が感じられる雰囲気だった。

年配の女性が取り仕切る店には少し緊張感があった。促されるまま席に着き、全員がすき焼きを注文した。ここが全国にその名を轟かせる今半の始まりの店。デパ地下で並んで今半の精肉を買った日のこと、人形町今半の惣菜店で1人で揚げたてのすき焼きコロッケを食べた日のこと、会社の同期が「友人の出産祝いに今半の肉を贈った」と話してくれた日のこと、「今日家に帰ったら今半の肉があるんだよー」と楽しみにしていた友人の顔、いろんな事が走馬灯のよう駆け巡った。今私はその本店にいて、仲間たちと昼間っからすき焼きを食べる。そう思っただけで興奮した。皿いっぱりに敷き詰められた肉をふくよかなお姉さんが無造作に運んできた。その皿の角度は大胆で今にも肉がはがれ落ちるのではないかと心配になり、皆で「落ちそうだよ!」と突っ込んでしまったが、安全に席まで届けられた。

鉄鍋が火にかけられ、まず今半特製の割り下が少量注がれた。その中に赤と白が美しい肉が投入され、野菜が綺麗に盛り付けたられた。写真に写ることを意識して、丁寧に盛り付けてくださったすき焼きを一同激写した。

赤がピンク、うっすらとした茶色に変わったころ、急いで生卵をときほぐし、たっぷりと割下を含んだ肉をくぐらすと、つやつやと輝きを増す。それを一気に口に運ぶと、ジューシーな肉汁が溢れそうになるほど広がった。今半のすき焼きは、ほんの少量の割り下で食べるため味は濃いめでご飯が進む。女性にとっては大満足のボリュームだった。

食べ進めるうち、あたりを見回す余裕が出てきて、ふと前の席に座る男の子が目に入った。小さな背中をピンと伸ばして、お行儀よく正座ですき焼きを食べている。隣には大きな背中のお父さん。五本指の靴下を履いた大きなお父さんの足と、真っ白な靴下を履いた小さな足。その靴下を真っ白にするお母さんの姿さえ連想され、今半の湯気の向こうに家族の暖かさを見た。

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